ファーストデート1月26日昼公演を観劇しました。
ファースト・デートは初演は観たことがなくて、人の感想を聞いていると、なにそれ!観たい!となった作品(初演のキャスト豪華すぎだしな)
再演したら観に行きたいと思っていました。
なんか、内容はよく知らなかったけど、ラブコメ系ミュージカルが好きなのと、直感で。
案の定、クリエのみで地方公演なしのため、遠征になってしまうわけですが、ちょうど鎌倉旅行をしたかったので、よし、旅行がてら東京へ飛ぼう、と、久々のシアター・クリエでした。
やっぱりクリエは好きだ......
そしてクリエの良さにマッチする作品でした。少人数で、でも賑やかで華があり、こじんまりしつつ上品なお洒落さがある感じ.....
2人のやり取りからそこに居ない人を含めて物語の世界が広がる作品は大好き。ちょっと違うけど、2人芝居でも色々な人がいて色々な場所に行って色々なことが起こるダディ・ロング・レッグズとかも大好きなので。
彼らの脳内描写が展開されるのが面白かった。脳内の彼らの友人やら家族やらが出てくるのは、彼らの人間関係やバックボーンがわかると同時に、ひたすら脳内で色々考えてるのをこんなに楽しくエンタメ性たっぷりに描くなんて!と思い脱帽。発想が面白くて上手すぎる。
ブラインドデートはなんか、マッチングアプリなんかにも通じるものがあるなと思いました(やったことないけど)
SNSやインターネットのくだりも他人事とは思えない......
アメリカの恋愛のリアルなんだと思いますが、現代日本人の私から見てもリアルさを感じてしまう......でもそのリアルさに陳腐さや嫌な感じがせず、程よいリアルさで物語に入っていけました。親しみが持てるというか。
華やかさとコメディ要素が楽しく、それでいて、少しずつ2人がお互いをしり、惹かれ合い、変わっていく様子がとても丁寧に描かれていて、じわじわキュンキュンしつつ物語に引き込まれました。
村井さんのアーロンはあの冴えない感じと、デリカシーなくてほんとお前...ってなる感じがとても自然だったし、それなのに誠実で魅力的で、こんなの好きになるやろ!という感じで、ケイシーが惹かれていく様子にも説得力がありました。このさじ加減と説得力がすごい。
桜井さんのケイシーはイケイケの尖った美人さんだけど、繊細さや聡明さが滲み出ていて、かっこよくて可愛くて素敵でした。
あと、個人的に、いいキャラすぎるレジーが大好きでした!
植原さんスタイル良すぎだし(驚くほど手足が長い)
レジーが出てくるシーンは楽しすぎるし(助け出す〜の歌何回も聴けちゃう癖になっちゃう)
作品の空気感を作る上でのスパイス!
ぶっ飛んでて、それでいて可愛い!ウェイターさんとの恋模様も見守りたくなっちゃう、そんな植原レジーが良すぎた。
それから、音くり寿さんのアリソンの立ち居振る舞いの美しさと、上品なのにセクシーなファム・ファタール的な魅力に釘付けになってしまった......
そして何役もやるキャスト陣の切り替えやテンポの良さがすごい......笑えるところは笑えてじんわり心温まるシーンは染み渡る......
物語の最後に2人がやっとあらゆる葛藤を振り切り、答えを出す時に、初めて脳内の人達がいなくなるという表現が美しかった。
心を通わせることや幸せを掴むこと、そのためには殻を破り、自分を変えて1歩を踏み出すことが時には必要なんだろうな、と思わされました。
全体的な感想としては、華やかで明るいエンタメ的良さと、繊細さと、そして絶妙なリアルさのバランスがとても良かったです。そんな作品だからこそ、物語に引き込まれて笑ったりキュンキュンしたりしつつ、幸せを掴むためにはどうすればいいか、現実の自分に置きかえても考え、そして前向きな気持ちになれました。こういうミュージカル求めてた......!
そして再演キャストの方々が素晴らしく、初演のキャストは観てみたかったものの、今回のカンパニーで観れて良かったと思いました。
よく知らないけど多分好きなやつ!と思ったのが当たってよかったな......
私の直感は信用できる。